仕事の評価のギャップ「従業員の目線」

不明瞭な評価基準に対する不満

仕事の評価に対する従業員の不満の理由のひとつが「不明瞭な評価基準」です。自分の仕事を評価するための企業の評価基準が公開されていないケースが多いこと、公開していても従業員にきちんと伝わっていないことが原因です。そもそも企業に明瞭な評価基準があるのかどうかという点に疑いを持っている従業員も多いようです。評価基準が分からないと自分の評価が決まった理由が分からないため、低い評価だった時に納得することができません。同じチームで同じ仕事をした同僚の評価だけが高かった場合などは、ますます納得することができず、企業や上司に対する不満を持ちます。

不公平に感じられる評価

自分の評価が低いだけなら納得できるかもしれませんが、自分よりも仕事ができない人の評価が高い場合に、不公平感を持つことになります。成果主義と言いながら、実際は仕事以外の評価基準で仕事の評価が決まっていると感じます。また仕事の評価は明瞭な評価基準で決まっているのではなく、「上司の個人的な好き嫌い」で決まっていると感じます。このような不公平感が従業員の間で広がるのは、先述した通り、不明瞭な評価基準に対する不満と評価基準の不浸透が原因です。さらに上司など評価者の評価基準の理解度の低さや、客観的に従業員を評価するスキルの低さなど、評価者側の力不足も問題になります。

フィードバックがないケースも

人事評価が下された後、フィードバックがないことに不満を感じる部下もいます。自分が思っているよりも低い評価を下された時に、フィードバックがないと困ります。今後どのように努力をすれば、自分の仕事の評価が上がるのか理解できないためです。仕事の評価が低いのはなぜなのか、具体的にどのような考え方でどのような行動をしていたら評価が高くなるのかという部分を明瞭に示してもらわないと納得できませんし改善もできません。人事評価面談などを定期的に実施し、評価者である上司と従業員がコミュニケーションを取ること、人事評価基準を明瞭にし、お互いが理解し合うことが大切です。不明瞭な評価基準でフィードバックもされないまま仕事の評価をされ、自分が思っているよりも低い評価が続けば部下のモチベーションは上がりません。企業全体にとってマイナスの結果になります。